ドメーヌ・ルイ・ラトゥール
試飲日 2001年6月26日
場 所    神奈川県内某所     
照 明 蛍光灯
種 類 フランス AOC白ワイン
生産者 Domaine Louis Latour (Beaune) 
Vintage 1998
テーマ 1998のコルトン・シャルルマーニュ 
ワイン Corton Charlemagne

<特級コルトン・シャルルマーニュ>
 
グリーンがかった透明感がベースにある薄い金色。お菓子のモンプランのようなマロン香が心地よい。乾いた土壌香からくる温かみのあるアロマと表現したくもなる。パイナップル香もあり、上品な香り立ちである。1997はマロン香を引き出すのに苦労したが、1998はあっさりとマロンに包まれた。酸味がしっかりあり、数年後の熟成も楽しみである。すっきりした味わいが前面に出てはいるが、しっかりと濃いワインであり、さすがルイ・ラトゥールの実力を思い知る。
 コルトン・シャルルマーニュはブルゴーニュの最高峰の一角を占める偉大なワインであり、マロン香が最大の特徴でもある。偉大なワインゆえに食事と合わせるには難しいが、今回の1998はマロン香よりもすっきりした味わいの方がインパクトが強いので、食事を通して楽しめそうである。

 今回のワインはロバート・パーカー経由のスペシャルキュベとの情報がある。ルイ・ラトゥールほどの規模のドメーヌ兼ネゴシアンでは同じワインを1万本単位で生産しているという。これだけ大量に造ると、どうしてもキュベの差やロットの差が出てくるらしい。同じ1998ビンテージでもその味わいには歴然とした差があり、その差を告知するために何とかキュベと明記する場合もあるし、価格差になって現われる場合もある。ルイ・ラトゥールの場合はエチケットの濃淡で差を設けているような、微妙な設定すらしているように思われる。
 つまりはコルトン・シャルルマーニュの標準とも言えるルイ・ラトゥールのそれは、お店の情報力によってしかキュベの差を判断できない。ここにムズカシさもある。お店を信頼して購入するより術がない。テーブルワインならあはは、で済まされるが、とっておきの日に楽しむべきコルトン・シャルルマーニュでは外したくない。おいしいワインであって欲しいからこそ、購入前には力も入ろうというものである。
 なぜここまでこだわるのか。それは半年前のゴルドン・グヂャグルマーニュ事件を体験してしまっているからだ。あの思いだけは、できれば避けて通りたい心境である。おいしいワインは常においしくいただきたい。そんな願いをかなえるために今宵も某所に、である。


以上
 


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