ナンジャマン 再び (2003/10/07)

 
 上野の国立西洋美術館で開催中の「レンブラントとレンブラント派」で感動したあとに聴くべき音楽は、ナンジャマンの最新マンモスシングル「WORLD LEADER」だ。違うかな。

 濱の兄貴として、またレゲエ界のストーリーテーラーとして、いまやインディーズ市場の巨匠になりつつあるナンジャマンが1年ぶりに新曲を出したという噂を北千住方面から聞くにおよんで、いそいで藤沢のCDショップへ駆け込んだ。前作「STRAIGHT UP」で、その昔ワルやってた頃の心境を見事に歌い上げたナンジャマンは、今回はタイトル曲「WORLD LEADER」の中で反戦(というより反米)というヘビーなテーマを取り上げ、自身の内側から込み上げてくる疑問を、独特のサウンドに乗せて聴衆に訴えかけている。

 ナンジャマンの思想は小林至氏のそれに近く、しかしそれはごく普通の感性で新聞報道を読むならば当然に湧き上がる疑問だったりする。ナンジャマンの熱烈なファン層は、ティーンエイジャーや20代前半であるらしい。一説によると、ナンジャマンのライブチケットを求めて1万人近くが集まるという。ナンジャマンの彼らに及ぼす影響力は計り知れず、偉そうな政治家や勘違いの評論家の言葉よりも、ナンジャマンのソウルがダイレクトに彼らの心に響いている様は容易に想像できるのだった。いまでも反戦ソングの代表格にジョン・レノンのイマジンが挙げられるが、今の日本のティーン・エイジャーたちの心をとらえるのは、もしかしたらナンジャマンその人なのかも。ちょっと大げさかな?

 ナンジャマンはまだインディーズである。30代以上の世代には縁遠い存在かもしれないが、彼がメジャーデビューを果たしたならば、「音楽」がもつパワーを多く人々が共有する風景が展開されるかもしれない。そんな日がやってきたならば、この国に明るい光が差し込むことだろう。(ちょっと大げさかも?)


おしまい

おまけ ナンジャマンを知っていると20歳前後の女性と共通の話題が出来て、おじさんとしては、ちょっとうれしいかも。


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