モンジャール・ミュニュレ
試飲日 2001年11月6日
場 所    都内某所     
照 明 蛍光灯
種 類 フランス AOCワイン
生産者 Domaine MONGEARD-MUGNERET (Vosne-Romanée)
Vintage 1990
テーマ モンジャール・ミュニュレ登場
ワイン ECHÉZEAUX

<エシャゾー>
 抜栓後すぐにINAOグラスへ。遠めに見るとイチゴが混ざったような黒系のルビー色だったが、目の前に注がれたグラスは透明感のあるレンガ色であった。見る角度と距離によって色合いが異なるのも楽しい。香りは熟成香が立ち込めてくる。たったの五秒間ながらイチゴの果実香が現われたのにはおどろきすら感じる。もろみ系のブーケと味わいは時の流れを静かに感じる。程よく甘味を感じ、うまみ成分がするりと喉を通りつつ、最後の静が喉に引っかかり、その分だけうまみが喉に残っている。口に含んでいる時間が長いほどに唾も溢れだし、今宵の出会いに感謝である。
 1990年にして熟成のピークをやや過ぎたかなとの印象を思いつつ、決してへたっていないパワーを感じる。個人的には、もう少し早く出会い、果実味が残っているくらいが好みであるが、熟成の味を堪能する機会は滅多にないので、もうしばらくこの瞬間を楽しんでいたい。ただ11年の熟成を経て、澱がほとんどないのは意表をつかれる。

 2001年9月ドメーヌ蔵出。

 1990といえばポンソのジュブレの特級の熟成の始まり加減と、エマニュエル・ルジェのACヴォーヌ・ロマネが思い浮かぶ。11年の歳月を経て、それぞれのワインはそれぞれの方向で成長している。ACジュブレ・シャンべルタンからACヴォーヌ・ロマネは歩いていける距離である。この僅かな距離にして、これほどまでに熟成の到達具合に差が出てくるのだ。若いビンテージでも差は歴然としているし、熟成しても違いがある。目前のワインをいつ飲むか。ワインの楽しみは決して終らない。そこが喜びでもあり、ちょっと怖かったりする。

 モンジャール・ミュニュレのワインは日本でも多く見かける。今までドリンキングレポートに登場しなかったのは不思議であるが、今後の出会いに期待したい。


以上
 


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