アンヌ・グロ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年11月23・25日 | |||||||||||||||||||||||
<ACブルゴーニュ> 抜栓後INAOグラスへ。ややひんやりした室温。冷暖房なし。 意外に濃い赤系のルビー色。甘い果実味が爽快で、すくっと立ちこめている。艶やかな装いと嫌味のない渋みが、妙にマッチしていて、ほんのりうまい。余計なものを削ぎ落とした純粋なうまみを感じる。絶妙なバランスが小さな円を描いている。気楽に飲めるのに、しっかりした味わいと微かに香る妖艶な世界。たっぷり口に含めば、より一層このワインのおいしさを堪能できる。 ブルゴーニュという地方名ワインながら、村名ヴォーヌ・ロマネが相当の割合いで入っているという有力情報があり、なるほどこのゆとりはヴォーヌ・ロマネそのものであり、しいて言うなら、ぷちヴォーヌ・ロマネといったところだろう。時間が経ってもへたらない濃縮感は、ブルゴーニュ色とも言うべき薄めの色合いにギャップを感じ、不思議な違和感を拭い去れないまま、素敵な時間が通りすぎていく。抜栓して5時間近くたっても、おいしいままの姿に感動である。 今回のワインは店頭価格で3000円を越えている。ACブルゴーニュのクラスを考えれば、やや割高感はあるものの、5000円以上の実力を兼ね備えている。何をもっと高いとするか。普通に買えば決して安くないワインであるが、この味わい深さを同一価格で満足させられるものは少ない。レストランでこのワインに出会えれば、サービス料込みにしてもきっと満足できるに違いない。料理にも合いそうだし、価格とのバランスもいい。 ブルゴーニュきっての名門グロ家の血を引くアンヌ・グロの1999は大いに期待できる。上のクラスを敢えてブルゴーニュまで下げた理由を知りたいところである。それにしても名醸造家の地方名ワインは魅力的である。アンヌ・グロは名門であり相続によって細分化された畑は本拠地ヴォーヌ・ロマネ村周辺にしかない。素性の知れるブルゴーニュ地方名ワインはドメーヌのこだわりと個性が発揮されやすく、超お買い得ワインである。通は絶対ケース買いしているんだろうなと思いつつ、今宵のワインとの出会いに感謝である。 <ドリンキング・レポート> 1998水平テイスティング 1998シャンボール・ミュジニ ラ・コンブ・ドルボー 以上 |