ドメーヌ・ドニ・モルテ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年05月31日 | |||||||||||||||||||||||
<ジュブレ・シャンベルタン 1級 ラボ・サン・ジャーク> 抜栓後すぐINAOグラスへ。やや熟成感を伴った黒系ルビー色。香りは、若いドニ・モルテのワインに多くみられるような、バニラやチョコレートや甘い果実は感じられず、黒系果実のニュアンスに、土壌香、干しイチジク、紅茶、なめし皮などが複雑に漂ってくる。口に含めば、余分な脂肪がそぎ落とされたような筋肉質な味わい。完全に熟成モードに入っており、安心の一杯である。ラボーらしい荒々しさはなく、全体的に上品なタッチでまとめられ、骨格のしっかりした味わいは極めて辛口に振られていて、ドニーの新たなる味わいに感激である。辛口ながらうまみ成分もたっぷりあり、余韻も長く、とても心地よい。 このワインはかくも男性的であり、このダンディーな味わいは微かにロマンスグレーを帯びている。そして「上り坂」を意識させる力を秘め、ジュブレ・シャンベルタンのビターな魅力に迫ってくるからうれしくなる。まさに感激のラボ・サン・ジャークである。このビターな力強さは今後数年は持続するものと思われ、セラーに眠るラボーの出番をいつにするか、しばらくは笑みのこぼれる毎日が続きそうである。 そしてこのワインは昨年9月にも試飲しているが、当時に比べ、よりビターになった印象を持つ。ただ甘いだけのワインはいらないとでも言いたげな、そんな大人の味わいを醸しだしているように思われる。 以上 ドニ・モルテ訪問記 |