ACブルゴーニュ日和 | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2006年04月27日など | |||||||||||||||||||||||
<ブルゴーニュ 2003> 今回は、コート・ド・ニュイ地区の造り手の個性を知ろうというもので、ビンテージをそろえて、同じランクのワインを同時に楽しむことにより、造り手の表情を浮かび上がらせようという企画だった。飲み方は本来ならばデカンタをすべきであるが、今回は室温に馴染ませてからそのままボトルからINAOグラスやロブマイヤーグラスVへサービスした。 <ジャック・カシュー> 赤系果実をベースとしたコンパクトな味わいで、全体のバランスから酸味の具合がちょうど良く、飲み疲れないタイプ。樽香などはそれほど気にならず、ピュアな果実味が楽しめる。オリエンタリックな要素も持ち、それはリトル・ヴォーヌ・ロマネ的であり、何気なおいしさが面白い。コストパフォーマンスに長けた逸品で、くどくない赤ワインが飲みたいときにまずは手に取りたい一本だろう。 <エマニュエル・ルジェ> 先日の水平テイスティングの時にも感じたが、やはりこのワインは熟成中に熱を帯びた形跡があり、それはマデイラ化した味わいに求めることができる。焦がした黒砂糖のようなニュアンスを持ち、しかし、それはそれで楽しめるから面白く、これが酷暑の2003年の副産物かと思うと、これもまたビンテージの個性に含めてよさそうだが、品質管理的には担当部署から呼び出しがありそうな気配もほくそえむ原因だろう。毎年マデイラ化されると困りものだが、2003年ということで・・・。 <ジョルジュ・ルーミエ> 赤系の果実をベースにリトル・シャンボール的な味わいが面白く、それはグラスの適性面からも探ることができ、ロブマイヤー・グラスVよりも、リーデル・ヴィノム・ブルゴーニュの方との相性のよさから窺うことができたりする。ピュアで新鮮な果実を連想させ、その一部がジャム状になっているような味わいは、媚びない甘さに包まれて、シャンボールらしい華やかさを伴っている。余韻も長く、ルーミエチックな味わいが表現され、ワン・ランクもツー・ランクも上の味わいを楽しむことができる。これがブルゴーニュとは思えないが、値段を考えれば、それは相応しているようで、なんとも致し方ないかと思うところが気持ち辛い。 <クロード・デュガ> これはグリオット系のブルゴーニュと推測されるワインで、四本の中で最も情報量が多く、もっともスケールの大きいワインだった。ジュブレ・シャンベルタンを彷彿とさせる味わいは、ずしりと重心が下にあるタイプで、黒系果実と樽の関わり具合が絶妙で、ほのぼのデュガ節を堪能できる。味わい的にはどうしても甘みを感じざるを得ないが、忌み嫌うほどのレベルでもなく、うまみへと通じてくれるから面白い。余韻は長く、心地よい一本に間違いない。素直にうまいとおもう。 <まとめ> 今回の四本は、この順番にサービスして正解で、それぞれのワインを楽しむためには、ベストな順だったと思われ、それがまさに価格にも反映しつつ、その日のお料理や気分によってどのワインを選んだらよいか、同時に飲んだことでそのポイントも浮かび上がり、なかなか面白い体験だったと思ったりする。ただしトップドメーヌゆえに入手も困難で、価格も高く、日常的に楽しむにはかなりの無理があるところが辛かったりする。 この場も借りて関係各位に感謝です。 おしまい | |||||||||||||||||||||||