サント・ネージュ | |||||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年12月03日 | |||||||||||||||||||||||||
<日本の匠シリーズ 第三弾>
今回のワインはスペシャル企画です。20世紀最高ビンテージの1975年の甲州は、間違いなく日本が世界に誇れるワインである。2年前にシャトー・メルシャンの甲州を堪能したが、今回は同じ年の同じ甲州のサントネージュのワイン。超有名某所にて20余年にもわたり大切に貯蔵されていたもので、おそらくは某所以外での試飲は不可能だが、日本の匠に敬意を表し、このレポートで紹介したい。 <甲州 1975> 抜栓後デカンタをして蓋をし、待つこと40分。液温18℃。静かにINAOグラスへ。まっ黄色といいたくなるほど明るい黄色。1972のセミヨンとこんなにも違うとは驚きだ。INAOグラスから蜂蜜を薄めたような香りが漂い、大根漬けや洋ナシの風味も感じられる。口に含めば、思わず舌鼓。舌にうまみがまとわりついて一向に離れない。このうまみを絶ち解くかのように舌鼓。うまい。舌の上にたんまり溜まったうまみ成分は、舌鼓を打たなければ吹き飛ばせない。別にこのうまみ成分は、まったく吹き飛ばす必要はないのだが、これを飛ばさなければ息が出来ないほどだからやむを得まい。 呼吸が出来ないほどの強烈なうまみ成分。うまみの塊。酸味がしっかりと載っていて、すばらしく穏やかな味わいは、口に含むたびに舌鼓を打ちたくなる。ああ。日本に生まれてよかったと、つくづく感謝するしだいである。まさにNHKの「プロジェクトX」よろしく中島みゆきの歌声が耳の奥に流れている。 私のメモには「つばがどぼどぼ。うー」と書いてあり、 翌朝読むと少し恥ずかしかったりもする。
日本の匠シリーズ 1972年 サント・ネージュ セミヨン 1964年のシャトー・メルシャン カベルネソービニヨン 以上 |