シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年11月24日 | |||||||||||||||||||||||
<シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテスト・ラランド> 今回は特別企画です。某所にてボルドー垂直第二弾が行われ、末席を汚させていただいた。この場を借りて感謝申し上げるとともに、味わいの差を残してみたい。ただし例によって大いにドリンキングしている上に、トータル9本+すっぽんの生き血なんぞを飲んで待ったために、相当あやふやな記憶であることは、毎度のことである。すべてのワインをデカンタしたが、同じそれを揃えるのは不可能なため、某美人講師の判断により、ビンテージごとの特色を踏まえ、それぞれに適するものが選ばれた。ややひんやりする室温は、晩秋のすっぽん鍋に良似合う環境である。 AOC ポイヤック (メドック地区・ボルドー地方 シャトー・ラトゥールの隣) 格付 第二級 (メドック地区の格付け 1855年実施 通称スーパーセカンド) 特徴 メルローの比率が高い (85年で35%) <1985> 抜栓して細目のデカンタに移して30分。枯れた感じの熟成したボルドー色になっている。深く濃く重い色合いである。草っぽい香りとともに動物香のもわもわさがある。口に含めばまろやかな味わい。引っ掛かるところがなく、するりと喉を通過していく。もっと渋々しているものと想像していたが、あっけないほどのするする感である。 パーカーズポイント:90 <1979> 抜栓して細目ながらやや太めのデカンタに移して30分。赤みを帯びたより深い色合い。スーとした感じでさらに滑らかな味わいである。歯茎に染み込むほどの渋みはなく、まろやかなうまみが漂いつつ、うまいワインである。 パーカーズポイント:93 <1989> デカンタはスライムを押しつぶしたようなキャプテンといわれる物を使用。小一時間。おっと。土っぽさの中にチョコレート香がしてカレー粉もほのかに感じられる。ワインを形として捉えることができる。前作2本がするりと通過するタイプなのに対し、この1989はしっかりとワインの形をとどめ、その分だけ余韻も長い。飛びぬけた個性はないもののバランスがいいために、なんだか気持ちが良くなる。いいね。 パーカーズポイント:92 <1983> デカンタは三角形タイプのしっかりした作りのものを使用。最もパワフルさを感じる。アグレッシブで攻撃的である。濃縮感グググとくるタイプ。滑らかなタンニンは18年の歳月の賜物だろう。1982というグレートビンテージの陰に隠れつつも、このピション・コンテスは偉大なボルドーに数えられる可能性がある。まだまだ十分堪能できる力を持ち、いつ開けてもそのおいしさは万人の懐に届くことだろう。 パーカーズポイント:94 <まとめ> 今回の垂直はコスデストゥルネルに続く第二弾であった。ボルドーはパーカーの評価通りの味わいがする。ビンテージと価格のバランスを考えれば、素敵な夜を常に約束してくれそうである。ただ何万円もするため、とっておきの夜にしか味わえないのが残念でもあり、そこが最大の長所だったりする。けだし度々飲んだらきっと飽きてしまいそうだからである。今回の4つのワインも並べて飲むからこそ微妙な違いが感じられるが、4夜に分けて飲んだら、そんな差はないだろう。それぞれが酉を取るのに十分なワインであるとともに、ボルドーチックなワインである。食事と合わせられる財力と実力があれば、いい夜が演出できそうである。 <おまけ> テイスティングの前後に飲んだワインについても一言ずつ残しておきたい。料理と楽しく合わせたため、とても楽しい夕べであった。順番は試飲順ではなく、思い出した順である。 ジャンリケール2000マコン-フュイッセ うまい。喉しめしには重すぎるかと思いつつ、うっとりである。通称弟子マコン。 ギュファン・エイナン1998マコン マコンの枠越えワイン。すっぽん鍋にもばっちし合う。弟子マコンの師匠にふさわしい。 ジャン・モニエ1989?ムルソー・クロ・デ・クロマン 時間と共にむるむるしてきた。村名にしてちっともへたっていないおいしさに感激である。 グラムノン2000コートドローヌ(ビオニエ) ビオビオしている。杏。2000もビオニエは健在である。 ジョセフ・ロティ1998ブルゴーニュ ジュブレ・シャンベルタン1級を彷彿とさせるランクを超えたおいしさ。 以上 |