シャトー・リヨン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年12月06日 | |||||||||||||||||||||||
<日本の匠シリーズ 第五弾>
今回のワインはスペシャル企画です。この赤ワインは、ボルドー系葡萄品種を使って世界を目指そうとしたサントリーのワインで、葡萄品種はカベルネソービニョンブランが80%で、残りがメルロ。超有名某所にて大切に貯蔵されていたもので、おそらくは某所以外での試飲は不可能だが、日本の匠に敬意を表し、このレポートで紹介したい。 <シャトー・リオン Lion 1966> コルクが完全にビンにこびりついていて、中心部分がボロボロのため抜栓不可。コルクの中心部分を敢えてビンに落とし、フィルターにかけながらキャプテン型デカンタへ。そしてすべてを流し込んでからすぐINAOグラスへ。濃いガーネット色。薬っぽいブーケが静かに漂い、なにやら不安げな面持ちに。醤油香ともろみ香も漂いさらに心配。口に含めば、決してまずくはないが、盛りを過ぎた平べったい味わい。んんん。果実味は残っていなくて、構造的に崩れた感じが否めず、決して痛んではいないものの匠シリーズとしてはやや不甲斐ない味わいである。余韻は短く、一緒に合わせたウォッシュチーズの強さをただ引き立てるだけに終わってしまっている。無念。 しかし36年も前のワインなのだ。あまり期待を大きくするには、ワインとその歳月に酷でもある。匠シリーズ初登場のサントリーのワインであったが、5本目にして初めて中島みゆきの鼻歌が流れなかったりもする。これもまたワインの味わいであり、はかない気持ちが今宵の出会いに哀悼をささげたりする。古酒はボトル差が如実に現れるので、もう一本隣にあったワインがどうなっているのか興味深くもあるが、これはこれでよしとしよう。 そしてシャトー・リヨンは何も語らず静かに去っていくのであった・・・。 匠シリーズはまだまだ続く。 日本の匠シリーズ 1972年 サント・ネージュ セミヨン 1964年 シャトー・メルシャン カベルネソービニヨン 1975年 サント・ネージュ 甲州 1960年 シャトーメルシャン ソービニョンブラン+セミヨン 以上 |