<2001年ドリンキングレポートを振りかえって>
今年も、素敵な仲間とおいしいワインを共有できたことに改めて感謝申し上げたい。今年は、ワインを取り巻く環境が激変した年でもあり、個人的な印象も深い。今年はAF.グロのACヴォーヌ・ロマネ98で新年をお祝いし、晦日の昨日は藤沢の天麩羅屋さんにてブリュノパイヤールのロゼシャンパンとドニ・モルテのACブルゴーニュ98で締めくくった。今宵の大晦日は何を飲んで新年を迎えるべきか、楽しい作業が残っていたりする。
ブルゴーニュを集中して飲みだしてから早くも丸3年の歳月が流れた。ドリンキングレポートも1年半も続いた。特に後半はレポートの掲載割合も50%を超えてきたので、この調子で大いに楽しみたいところである。ブルゴーニュとは何か。来年も別の角度から探りつつ、おいしいワインとの出会いに期待したい。
<2001年のベスト>
今年飲んだワインを総括してみたい。推定600本以上あり、記憶と記録を頼りにそれぞれのテーマやアペラシオンごとに印象深いワインを列挙すると下記のようになった。客観的にみれば、今年も大銘醸ワインを飲むことができた。これもひとえに関係各位のおかげであり、この場を借りて感謝申し上げる次第である。内容を分析すれば、やはりAOC法の格付け通りになっており、造り手も偉大な人ばかりが並んでいる。造り手の特徴としては大ドメーヌ兼ネゴシアンが多くなっている。それはやはり資金力と最新技術力の成せる技なのであろう。細分化されすぎた小規模ドメーヌの時代は終りつつあり、大資本時代の到来が確実なものになっている証でもある。ネゴシアン部門で経営体力を持ち、ドメーヌ部門で偉大なワイン造りをする大手の味への追求は、家庭的なドメーヌにはできない体力である。
<赤ワインのベスト>
ミュジニ 1998 ドメーヌ・ルロワ
<白ワインのベスト>
モンラッシェ 1997 ドメーヌ・デ・コント・ラフォン
<ベスト コストパフォマンス>
ACブルゴーニュ赤1998 ジョセフロティ
<ベスト レポート未掲載>
ブルゴーニュ・アリゴテ 1998 ドメーヌ・コシュ・デュリー
ヴォルネイ・クロ・ド・ラ・ブスドール 1996 ドメーヌ・ド・ラ・プスドール
ジュブレシャンベルタン・カズティエ(マグナム) 1997 フェブレ
シャンベルタン・クロドベズ 1998 ドメーヌ・ルイ・ジャド
シュバリエ・モンラッシェ 1995 ドメーヌ・ルフレーブ
<ベスト レストランで>
ラトリシエール・シャンベルタン 1985 フェブレ chez キ○シタ
ブルゴーニュ・ロゼ 2000 ドメーヌ・G・ルーミエ chez ラ○プール
バタール・モンラッシェ 1998 ドメーヌ・ラモネ chez 藤○し
アペラシオン毎のトップワイン
<ACシャブリ>
モンテ・ド・トーネル 1997 ドメーヌ・ラブノー
<ACジュブレ・シャンベルタン>
シャンベルタン 1990 ドメーヌ・ポンソ
<ACモレサンドニ>
クロ・ド・タール 1993 モメサン
モレ・サン・ドニ 一級 VV 1998 ユベール・リニエ
モレサンドニ 一級 1998 ドメーヌ・デュジャーク
<ACシャンボール・ミュジニ>
ミュジニ 1998 ドメーヌ・ルロワ
アムルーズ 1987 ドメーヌ・ジョルジュ・ルーミエ
<ACブージョ>
クロ・ド・ヴージョ 1996 ドメーヌ・ジョルジュ・ルーミエ
クロ・ド・ヴージョ 1996 ドメーヌ・ジャン・ジャック・コンフュロン
<ACヴォーヌ・ロマネ>
エシェゾー 1995 ドメーヌ・ルイ・ジャド
リシュブール 1998 ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ
<ACニュイ・サン・ジョルジュ>
ニュイ・サン・ジョルジュ 1998 アンリ・ジャイエ
<ACアロース・コルトン>
コルトン・シャルルマーニュ 1998 ドメーヌ・ルイ・ラトゥール
<ACムルソー>
ムルソー・ペリエール 1986 ドメーヌ・デ・コント・ラフォン
ムルソー・ペリエール 1997 ドメーヌ・デ・コント・ラフォン
ムルソー・ナルボー 1998 ドメーヌ・ドーブネ
<ACピュリニー・モンラッシェ>
シュバリエ・モンラッシェ 1998 ドメーヌ・ジャン・シャルトン
<ACシャサーニュ・モンラッシェ>
モンラッシェ 1997 ドメーヌ・デ・コント・ラフォン
バタール・モンラッシェ 1998 ドメーヌ・ラモネ
シャサーニュ・モンラッシェ 1級 1998 ドメーヌ・ラモネ
<ACマコネ>
ピュイイ・フュイッセ プルミエ ジュ 1998 ギュファン・エイナン
<ACボジョレー>
ボジョレー・ビラージュ 1997 ドミニク・ローラン
<まとめ>
今年飲んだワインの一本一本には、それぞれの思い出や出会いがあり、すべてのワインに感謝であり、同席させて頂いたすべての方に感謝である。ワインは二人以上で飲んで、その悦びと感激を共有したいものである。すべてはおいしくあるために。時と場所と立場と相手と料理と、どんなシチュエーションにはどんなワインがベストなのか。高いワインにはそれ相応の環境が必要であるし、デイリーなワインにはそれにふさわしい飲み方がある。今ここに用意されたワインをいかにおいしく頂くか。目前のワインに感謝を込めて、コルクにスクリューをあてたいこの頃である。
今年を含めて過去3年間はブルゴーニュを知ることが最大のテーマであった。自己ベストのミュジニとモンラシェを飲んだことで、ワインのカテゴリーや立場を把握することもできるようになった。ワインのトップを知ることで、ワインの世界の総括もできた。今後もできる限り飲み続けたい。ブルゴーニュはアペラシオンと造り手が一緒でもビンテージが違えばそれは別のワインだからである。
来年は、全く別の角度からブルゴーニュに対峙したい。来るべく2002年。ワインを愛する人と、ワインのすべてを共有できれば幸いである。どんな年になるか。どんな年にするか。楽しみと不安が錯綜しつつ、今宵は何を飲もうかな、である。
以上
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